NPOいわて地域づくり支援センター


by iwasen_icsc_2005
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気仙町のけんか七夕(8月7日)

 9月も下旬というのに、暑い日が続きますね。まだ1週間程度は続くみたいですね…。もう、暑くてもいいから、雨が降ってほしいです…(涙)。

 今、岩手県内各地では秋祭りの真っ最中です。今日は遠野を車で通りすぎた時に、神楽のお囃子が聞こえてきました。そんな時節ですが、お祭りつながりでアップを忘れていた8月の七夕祭りの記録です。

 被災後、4月~8月頃まで内陸の西和賀町に陸前高田の皆さんが内陸避難生活を送っていました。その時に支援をしたきっかけで、西和賀の方は陸前高田の方の支援を続けています。最近は、「チームにしわが」を結成し、これからも長期的に支援を続けていく体制を整えました。(当センターを通じて、日韓共同募金を活用させていただいています。ありがとうございます。宣伝。)

 8月7日、陸前高田氏の気仙町にて、けんか七夕が開催されました。被災前は6台あった山車は5台が流され、昨年度は1台で「けんか」ができない中での七夕となったということですが、今年は茨城のスーパーカスミさんなどの支援を受けて山車を1台新調し、震災後初めて「けんか」をできる!という熱い思いの中での七夕でした。

 準備のため、朝は6時集合。すでに、暑くなり始めてました。今日も天気は良好!
 お祭りのメインストリートとなる場所。被災前は、住宅が立ち並んでいたということです。
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 今年の山車。黄色い山車が津波を乗り越えた荒町の山車、左の紫のほうが「今泉」と書いてあるので、この夏に新調された山車です。
 想像していたものより大きくてびっくり。それに飾り付けも初めて見ます。仙台の七夕に近いですね。伊達藩だからかな。これをぶつけ合うというのですが、このときは全く想像がつきません。
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 飾り付けを近くで見ると、紙のひもに紙の花が結いつけられています。今年は、この飾りにみんなの短冊も括り付けられました。この花織はすべて手作りです。一部は西和賀町の福祉施設のおばあちゃんたちも折ったとか。そんな支援、つながりもあるんですね。
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 この山車、何がすごいって全部手作りなんです。しかも金具をほとんど使わずに山から切り出した藤づるで固められています。祭りの2か月前から、気仙の男たちが山から切り出すところから作業を始めて、最後はほぼ徹夜で作り上げられています。
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 次々と集まってくる男衆たちの祭り姿がかっこいい。めいめいに意匠を凝らした衣装。祭りの花ですね。今日のこの日のために作り上げてきた達成感と喜びがにじんでます。見ているだけで、万感。
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 そうこうしている間に、西和賀町から「雪」が届きました。ダンプ2台分。西和賀町はかまくらで有名な秋田県横手市に接する豪雪地域です。毎年、雪氷祭りを夏に開催しているということで、その余ったものがあったということで、急きょ運んでくれました。夜明け前3時から運搬作業をしたとか。お疲れ様です。
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 この真夏に雪!何に使うのかと思ったら、「暖炉」ならぬ「雪冷炉?」 ベンチもおいて、暑さをしのぐ場所が作られました。関東から支援者の子供たちも来ていたので、大喜びでした~。
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 午前10時、いよいよ山車が出され、1回目のけんかが始まります。
 山車を引き出す前にご祈祷がされました。万感の思いがそれぞれの胸に満ち溢れます…。
 こんなに強く、そしてたくさん思いが詰まったお祭りを、私は初めて見ました。
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 いよいよ山車が出されました。どんなふうに動かされるのかと思ったら、ハンドルがあって、タイヤが動くわけではないので、前後の梶棒を左右に押したり引いたりしながら動かされます。こんな大きなものが!!
 このときは、危ないので、一般の人は見るだけです。
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 けんかの前に、街を練り歩きます。このときは、みんなで引き綱を持って引っ張って歩きます。掛け声は「よいやさ~よいやさ~」。みんな・・・みんなに届くように、大きな声で歩きます。太鼓と笛のお囃子どんどん。
 今泉の人たちは、おなかにいるときからこの太鼓の音を聴いて育つんだって。だから、激しい太鼓の音だけど、生まれたばかりの赤ちゃんもながずに喜ぶんだって、今泉の男が教えてくれました。お祭りは血肉に溶けているもんなんですね。
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 いよいよ「けんか」です。このけんか、上手にぶつかるように調整した後、ひもを反対側に伸ばして、それをみんなで引っ張ってぶつけ合うんです。最初にどーんとぶつけて、そのあと引っ張り合う。やってみると綱引きのよう。引っ張られちゃうのも怖いから頑張って引っ張ります。それが結構しんどくて、太ももがいたくなった・・・。1日に3回やるんですが、私は2回参加。2回とも勝ちました!(やったー)
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 けんかの最中は、山車の上では笹をぶつけ合います。結構激しく叩き合って、見ているとすかっとします。
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 山車が動いている間は、けんかとけんかの合間でもずっと太鼓とお囃子が鳴ってます。それを鳴らしているのは、地元の子供たち。すごい。けんかと祭りのDNAが埋め込まれるはずです。かっこよくて、ずっと眺めちゃいました。
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 夜になると、山車の飾りつけが変わります。夜のけんかが一番の見どころとか。お客さんも続々と増えてきました。
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 夜2回ぶつけ、最後にみんなで一本締め。祭りは盛り上がりに盛り上がり、終わりました。

 お客さんも帰り始めて、そのあと、祭りの直前に急死した仲間のために、最後に太鼓が叩かれました。最初1台の山車だけで叩いていたのを、もう一台も叩き始めて、すべての力を使い果たしてしまうかのようにお囃子が気仙の町に海に響いて、いつまでも響いて止みませんでした。本当の祭りはなかなか止まず、「今年の太鼓はこれでたたき納め。力の限りたたけ。」その言葉の通りの響きでした。

 祭りを見ていた西和賀町の人が、「これが本当の祭りだよな。多くの祭りは、ただのイベントなんだ。」とつぶやいていたのが、忘れられない。「祭るもの」があって、初めて「祭り」になる。
 本当の祭りを、人生で初めて見せつけられた、長い一日でした。

 こうして、気仙、今泉は、未来へ続いていく。つなげられていく。人がつないでいくだね。すごい。

(わかな)
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Commented by cb1965 at 2012-10-08 21:34 x
感謝のご挨拶が秋口になってしまいました。祭りの際には皆さん方のご協力、誠にありがとうごさいました。皆さん方は私にとっても大切な存在であり、仕事のできる方々でありました。深く御礼申し上げます。

いよいよ金曜日から『気仙町けんか七夕祭』鉄砲町祭組被災前の記録、写真展示、スライドショーの公開を開催いたします。今となっては大変貴重なデータです。お時間お繰り合わせの上、どうぞご来訪下さい。『地域づくり・町づくり』の姿の参考になればありがたいです。お待ちしております。

詳しくは、陸前高田まちづくり協働センターのfacebookページを参照下さい。

ありがとうごさいました。
by iwasen_icsc_2005 | 2012-09-17 03:59 | 東日本災害復旧&復興 | Comments(1)